先日患者さんと会話していく中で疑問に思ったことがありました。
その患者さんは「自律神経が乱れていて調子が良くなく、身体に不具合がある。」とお話しされていました。
色々な検査をしてみても何の異常もない。
だけど身体は変な感じ・・・。
こんな時に「自律神経失調症」という病名は便利な言葉になっていると思います。
なにせこの名前を付けてしまえば深く考える必要がありませんからね!
でも、本当に自律神経が乱れていて起きているのでしょうか?
確かに自律神経は背骨から出ていて筋肉や各種内臓に分布しています。
内臓に分布しているという事は、そこから出る消化液やホルモンの分泌が少なくなったり過剰に出たりします。
とてもひどい状態ですと炎症が起きて血液検査で陽性反応が起きるので分かりやすいと思います。
が、
この状態だと胃炎なり気管支炎なりのはっきりとした病名が付く可能性が大きいです。
問題はその前の段階。
はっきりした病気じゃないのに身体はしんどい。
これを自律神経失調症と言われてしまう。
具体的な対策をされることも無く「なんかよく分からないからこれでしょ?」と診断されている方が多いです。
相手をよく見ないで思考を停止していたら解決できる問題も解決できないと思います。
先ほど自律神経は背骨から出ていると言ったように、その人の大まかな体調は背中に出ます。
これ、なかなか自分じゃ気づきにくいんですよね(*_*;
自分を客観視する事ってなかなか難しくて、僕も自分では分かっているつもりでも人に背中を鍼で刺してもらう時に気づかされることが本当に多いです。
それは、ある部分が盛り上がっていたり、凹んでいたり、ちょっと人が触っただけで強い圧痛があったり。
人に見られたり触られないと気づかない事が多く、意外とそれが今の症状の原因という事が多いです。お腹の筋肉の張りも同様です。
冒頭で書いた方の場合は、首の後ろがガチガチで左の7・8番目の胸椎、右の11・12番目の胸椎が盛り上がっていました。
自律神経が出る背骨がそういう状態だと脳は常に違和感を感じていて、内臓から出る消化液やホルモンの分泌も乱れるのは頷けます。
そこを鍼で緩めるとスッキリした顔になり目に生気が戻ったような顔になりました。
もちろん背中だけじゃなくて楽になる仕掛けは全身にしときましたけど(笑)
今回のことでも、というか毎回思うのだけれど本人に触らないで解る事なんて一体どれぐらいの事があるんだろう?
医療と言うものは「その人の身体を視て触ってが前提にあるもの」だと僕は思います。
もっとスキルを上げられたら「話を聞くだけで全てが解る」という事も出来る日が来るのかもしれないけど<(`^´)>
病院だけで解決できないような事があったら、一度ウチにも頼ってみて下さいね!(^-^)